「食」は私たちが生きる上でもっとも身近な関心事のひとつではないでしょうか。『食の世界を生きるー食の人類学への招待』では、世界各国の事例を紹介しながら「食」を様々な視点から探求します。食後の一冊にいかがでしょう?
様々な側面から「食」について考える
日本の和歌山県太地町で行われているイルカ漁を題材にし、第82回アカデミー賞長編ドキュメンタリー映画賞を受賞したドキュメンタリー映画『the COVE』。一方的な価値観で撮影・編集されたこの作品は、ドキュメンタリー作品の撮影手法だけでなく「誰がそれを食べる/食べないと決めるのか」という文化の問題としても物議を醸し、『ビハインド・ザ・コーブ』や『おクジラさま ふたつの正義の物語』といった映画も作られた。ここで共通する「イルカや鯨を食べる」といったトピックだけでも、メディア、政治、経済、個人的な価値観など様々な要素が複雑に絡み合っている。
本書、『食の世界を生きるー食の人類学への招待』では、こうしたあらゆる領域を横断する総合的なテーマである「食」を人類学的視点から概説する。それぞれマレーシア、イタリア、沖縄、シベリアなど多様な調査フィールドを持つ執筆者が、食の生産・流通・消費と生命倫理、食と身体、飲食とつながり、食環境など、「食」の様々な切り口を提示している。
■編者
河合利光
■分担執筆者
河合利光、石川登、宇田川妙子、河合洋尚、櫻田涼子、 比嘉理麻、吉田睦、大石侑香、寺尾萌、ビル・エザード
■出版社
時潮社
■出版日
2021年4月15日
■定価
2,750円(本体2,500円+税)
■ISBN
ISBN: 978-4-7888-0749-5
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